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金属の詰め物・かぶせ物について

保険歯科治療においては、普通「銀色」の金属の詰め物やかぶせ物が装着されます。

歯科医である私自身、歯というものは白いものだから、なるべくなら「銀色のもの」を入れたくないのですが、保険治療のルールである以上、致し方ないな、とも考えております。

 

金属は硬くて丈夫なので、白いつめものやかぶせ物より丈夫は丈夫です。

まず、割れません。そして壊れません。

 

歯科用の金属で、ベストは何かと聞かれると「ゴールドかな?」と思いますが、ただ値段も高いし、「金色」は患者さんの趣味の問題になりますね。

でも歯のためにはゴールドが一番と言われています。柔らかいし馴染みやすいし、それに、味覚に変化が起こりにくいです。

日本料理で金箔が使われるのは、素材の味を損なわないから使われるのです。

お正月に、金箔入りの日本酒がありますが、あれ「金」の味がしませんよね?

 

保険治療での金属は12%金銀パラジウム合金が使われます。

金がわずかに含まれていることから、世界的な「金相場」の変動により、それに連動して半年ごとに保険点数が変わります。その半年の間でも、歯科用金属の値段が乱高下するときもあります。

歯科技工士さんから、「今度(詰め物・かぶせ物で使用する)メタルの値段が上がります」と、ちょくちょく連絡があります。そのたびに、複雑な気持ちになります。

 

それはともかく、ここでちょっと12%金銀パラジウム合金について触れましょう。

世界中の先進国で、この金属が使われているのは、日本国だけです。

 

「外国で日本人と見分けるには、口の中が銀色の金属が入っているかを見ればよい」と言われているくらいです。

あまり、外国に行かなかったり、テレビやメディアに出演することなく、口の中にあまり関心がなければ銀色の金属でいいと思います。

 

ゴールドより(ましてや歯よりも)も硬いので、経年的に減っていったりすることが無いのである意味、あまり身体に馴染む金属とは言いにくいですが、丈夫は丈夫です。

(逆にそれが原因で虫歯になったり、外れたりすることがあるのですが、それは別の機会にブログに書きます。)

 

患者さんにもよく聞かれるのですが、詰め物やかぶせ物は何が一番いいの?いう質問は、勘弁してください。

 

何が良いの?より、何を求めるか?です。見た目か、丈夫さか、値段か?です。